2017-07-15から1日間の記事一覧

日本画の杜 第十三章 「硝子の箱の薔薇」 2017・6

「硝子の箱の薔薇」 6号S 私達が八ヶ岳に越してきたのは六年前の六月だった。葉山を出る時は梅雨空から小雨が降っていた。小淵沢に着くと快晴で 明るい陽射しに向かって伸びあがるように咲いた真っ赤な罌粟が ようこそと満面の笑みで迎えてくれた。見渡す限…